大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27年(オ)34号 判決 1953年10月15日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

論旨第一点は、本件売買契約の行われた当時、森林組合以外の者には、立木売買を禁ずる統制法規が存在したことを前提として法令違反を主張するが、本件売買契約当時、立木の売買について所論のような統制法規の存在したことは認められないから、所論は前提を欠くものであり、(上告理由補充申立書引用の法条は、木材の統制に関する規定であつて、立木の統制に関する規定ではない。)同第二点、第三点は、本件損害額の算定につき法令違反を主張するが、原審が本件損害額を、所論引用の物価庁告示の公定価格によつて算定したこと及び特別の事情のない限り契約解除当時における損害額に基ずいてこれを算定すべきものとしたことは、いずれも相当であつて、所論のような違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例